Introduction: 電マ式バター製造機 (Massager Butter Maker)

About: President of Toriningen Inc. in Tokyo

パリで食べた料理が美味しかったので、帰国後に自作しようと思ったら材料のバターが今年も高くて入手しにくいことに気がつきました。

バター在庫増加、不足解消へ 価格は高止まり

電動マッサージ機(以下電マ)で自作するこちらの記事が面白かったのですが、生クリームを一旦ペットボトルに移したり、テープで貼って15分人力で保持したりと手間がかかっています。

【動画あり】バターが買えないので自作してみた / 手で振る作り方もいいけど日本最強の電動マッサージ機『スライヴ』を使えばキレイにバターができる!!

そこで、生クリームのパックをそのままセットするだけでOKな簡易バター製造機を、3Dプリンタと組み合わせて作ってみました。

Step 1: 電マをバラす

記事で使われている電マ「スライヴ」の構造は単純なので、普通のプラスドライバーがあれば簡単に分解できます。スイッチ周辺にもネジ頭が隠れているので、ゴムのベルトを外してから写真のレベルまでバラバラにしましょう。一部のネジを後で使うので、無くさないように!

Step 2: 電マをカットして組み立てる

ノコギリかリューター等で写真の位置でカットしてから、上半分を図のように組み立て直してください。ヘッド部分はバラしたままで大丈夫です。

Step 3: 3Dプリントする

本プロジェクトのFusion 360 Galleryトップにある「Project assets」ボタンをクリックし、拡張子が「 f3d」」のファイル4つをダウンロードしてください。

「PrintMe_」で始まる3ファイルをAutodesk Fusion 360で開き、「STLで保存」などを適当に選択すると3Dプリンタ用のデータが得られますので、お好きな材質と出力密度で印刷してください。ただし赤い「PrintMe_InnerCore_Density100%」だけは後でネジ止めするので、密度を100%にしておくことをお勧めします。

ちなみに「ReuseMe_」で始まるファイルは印刷しなくて良いのですが、上に形状を追加することで他の用途のためのアタッチメントを作ることが可能です。試験管やフラスコを揺らす振盪機などにご利用ください。電マの回路はシンプルなので、マイコンと連携させて一定時間後に停止することも簡単ですが、家庭用電源をいじることになるので自己責任です。

Step 4: バターを作る

「PrintMe_InnerCore_Density100%」だけヘッド部分にネジ止めしたら、他は差し込むだけです。電子部品を接着剤やグルーガン、M3ネジ等で写真のように適当に台座に固定すれば完成です。

生クリームは42%以上のものを1時間以上冷やしてから使うと良いそうです。200mlパックの蓋は開けてもこぼれないので、2gの塩を入れておきましょう。ガーリックやハーブなども入れると、風味の違うバターを作ることができます。

倒れにくいですが、パワーの割に台座が軽いので動きます。万力で固定したり、設計を変えて重りを入れるといいでしょう。強にすると15分ほどで固まりますが相当うるさいので、防音箱かご家族の理解がなければ持っていた方がいいレベルです。

Step 5: バターを使う

これで安くバターを作ることができるようになりましたので、美味しい料理に役立ててください。

パリに行く際は、市内に何店舗かあるバスク料理店「Chez Gladines」にぜひ足を運んでみてください。さすがにテロの翌日は空いていましたが、普段は行列店のようです。